MLB先発ピッチャーランキングTOP10
ついに開幕したメジャーリーグ。
投手分業制が定着して長いですが、162試合を戦い抜くうえで、やはり先発投手は重要です。
そこで今回は先発ピッチャーベスト10をご紹介。
2022年の成績に加え、2023年への期待値も含めて格付けしました。
一体どんなランキングになったのか、各投手のエピソードにも注目です。
第10位 シェーン・ビーバー(ガーディアンズ)
2020年のサイ・ヤング賞投手、ビーバー。
2022年も13勝をマークし、ゴールドグラブ賞を獲得しました。
フォーシームの平均球速は149キロと、そこまで速くありませんが、リリースポイントが見にくく、多くのバッターがタイミングを取るのに苦労しています。
同じ名字であることから、歌手のジャスティン・ビーバーとSNSで交流したことも。
「ノット ジャスティン」と書かれたユニフォームを着るユーモアを披露し、野球ファン以外にも有名になりました。
第9位 アレク・マノア(ブルージェイズ)
メジャー2年目の昨年、16勝を挙げたマノア。
飛躍の一年となったマノアに、2023年2月、ちょっとした災難が振りかかります。
129キロという巨漢のマノアに対し、メッツOBのアンソニー・レッカーが「もう少しジムに通うようにしてくれ」とダイエット指令を下したのです。
これに対し、マノアはツイッターでこう応戦。
「私の仕事はあなたを喜ばせることではない。あなたは私の練習理念を理解しない部外者だ」。
迎えた2023年の開幕戦では、3回途中5失点KOという最悪のスタートとなったマノア。
果たして体型を維持しつつ、今シーズンも活躍できるでしょうか。
第8位 マックス・フリード(ブレーブス)
2021年のワールドシリーズ第6戦に先発し、アストロズ打線を6回無失点に抑え、チーム26年ぶりの世界一に貢献したフリード。
フリードは、最速160キロ近い速球と2種類のカーブを使い分ける本格派左腕です。
昨年も14勝7敗、防御率2.48を記録し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位となる票を獲得しました。
ところが、2023年の開幕投手としてマウンドに立ったフリードにアクシデントが襲います。
4回、一塁のベースカバーに入った際に左足を負傷し、無念の途中降板となったのです。
エースの1日も早い復帰が待たれます。
第7位 フリオ・ウリアス(ドジャース)
ウリアスは、1986年メキシコ生まれ。
マイナー時代は同じメキシコ出身で、かつて同じドジャースで活躍した名投手になぞらえて、バレンズエラ2世と呼ばれました。
ウリアスといえば、常に着用している大きなゴーグルがトレードマーク。
実は、ウリアスは子供の頃から左目の視力が弱く、それをカバーするために着けているのです。
そんなハンデがありながら、2021年にウリアスはその才能を一気に開花させます。
1年通じて先発ローテーションを守り、20勝を挙げ、最多勝を獲得。
2022年も防御率2.16で最優秀防御率を獲得し、2年続けて投手部門のタイトルにその名を刻んだのです。
バルデスといえば、メジャーきっての大谷キラーとして有名。
通算対戦成績は26打数4安打、打率1割5分4厘と圧倒しています。
大谷をきりきり舞いさせているのは、斧に例えられる大きな曲がりのカーブ。
このカーブには、左ピッチャーをあまり苦にしない大谷も、タイミングを合わせるのが難しいようです。
バルデスは、カーブの他にも左バッターの懐に食い込む高速シンカーなど多彩な球種を駆使。
2022年にはキャリアハイとなる17勝をマークし、ワールドシリーズでも2勝を挙げ、見事チームの世界一に貢献しました。
第5位 ゲリット・コール(ヤンキース)
名門ヤンキースからランクインしたのは、2021年の最多勝投手・コールです。
父の影響で子供の頃から大のヤンキースファンだったコール。
2013年にパイレーツからデビューすると、毎年先発ローテーションを守り、安定した成績を残します。
アストロズ時代の2019年には最優秀防御率のタイトルを獲得すると、オフには投手史上最高額となる9年3億2400万ドルでヤンキースと契約。
ついに憧れのピンストライプのユニフォームに袖を通すこととなったのです。
2009年以来、ワールドシリーズを制覇できていないヤンキース。
果たしてコールは、自身の手でヤンキースを世界一に導くことができるでしょうか。
第4位 ディラン・シーズ(ホワイトソックス)
2022年、メジャー最長記録となる先発14試合連続自責点1以下を達成するなど、抜群の安定感を見せたシーズ。
メジャー5年目、現在27歳のシーズは、今年、大谷とア・リーグのサイ・ヤング賞を争うのではないかと言われています。
シーズのウイニングショットは、バッターの手元で急落下するナックルカーブ。
この魔球が特に猛威を振るったのは、2022年5月2日のエンゼルス戦のことです。
この日、シーズはフォーシームとスライダー、ナックルカーブを巧みに投げ分け、エンゼルス打線を翻弄。
11個の三振を奪い、7回を無失点に抑え、勝利投手となりました。
中でもカート・スズキから空振りを奪ったシーンがSNSに公開されると、ファンからは「マジで魔術師」などのコメントが寄せられました。
第3位 ジャスティン・バーランダー(メッツ)
数々の賞を総ナメし、メジャー通算244勝は現役最多というバーランダー。
あのイチローも「それぞれ球種が一級品。どれでも三振をとれる」と絶賛する名投手です。
そんなバーランダーが、2017年のヤンキースとのリーグチャンピオンシップ第6戦で投じた一球は、驚きを超えて笑いをも生み出しました。
5回ツーアウトランナーなしの場面で、バーランダーが投じたのは133キロのカーブ。
一瞬、頭に当たるかと思った相手バッターは身をすくめます。
しかしボールは次の瞬間キュッと曲がり、ど真ん中へ。
バッターは慌ててバットを出したものの、腰砕けの無様なスイングとなってしまいました。
ネット上で「抱腹絶倒のワンシーン」と呼ばれたこのシーン。
バーランダーの投球術のいかにバッターを手玉に取っているかを知らしめました。
2022年、18勝を挙げたバーランダーは、オフにメッツへ移籍。
ところがメジャー開幕というまさにその日、右肩痛のため故障者リスト入りとなってしまいました。
今年40歳を迎えるバーランダー、巻き返すことは可能でしょうか。
2022年、15勝、防御率2.33、奪三振219個をマークし、サイ・ヤング賞第4位にランクインした大谷。
MVPを受賞した第5回WBCでは、2勝1セーブ、防御率1.86を挙げ、さらに大きく株を上げました。
中でも決勝戦のトラウトとの対決は、野球史に残る名場面と言われています。
実は、この対決で大谷の今シーズンの活躍を予感させるエグイ球種が飛び出していました。
「3球目のカットファストボール。30センチは動いたんじゃないかな。大谷がその球を普段から使い始めたら、もう手出ししようがないと思う」。
このボール、MLB公式サイトはフォーシームとしていますが、実はカットボールだったというのです。
確かにスローで確認すると横に動いているように見えます。
2022年、大谷のカットボールは最速152.4キロでしたが、この場面で8キロも球速が増したことになります。
ストレート、ツーシーム、スライダー、そしてスプリット…、どれも魔球クラスの球種を操る大谷が、この高速カットボールを使いこなしたら…。
大谷の2023年の活躍が一層期待できそうです。
第1位 サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)
第1位は、2022年、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投手アルカンタラです。
アルカンタラの長所と言えば、少ない球数で長いイニングを投げる投球術。
2019年5月には89球で完封勝利を挙げ、いわゆる「マダックス」を達成しています。
ボールを自在に動かしゴロを多く打たせる一方、ここぞという場面では、三振を奪うこともできるのです。
四死球の割合もメジャー平均よりも低く、クオリティースタート率は75%を誇ります。
そんなアルカンタラが驚異の魔球を投げたのは2022年6月8日のナショナルズ戦でのこと。
6回、ファン・ソトへの4球目はボールになったものの、100マイル、約160キロを計測し、バッターの手元で食い込みながら鋭く沈みました。
投球分析家のロブ・フリードマンは「19インチ変化する100マイルのシンカー」とのコメントを添えて、この動画を投稿。
ファンからは「このボールをバットに当てることができたら、偶然か奇跡のように思える」など驚愕の声が寄せられました。
いかがだったでしょうか。
今回は直近の成績を重視したため、シャーザーやカーショー、さらに第5回WBCで侍ジャパンの精神的支柱となったダルビッシュ有といったベテラン勢はランク外となりました。
メジャーには、ほかにもたくさんの好投手が揃っています。
みなさんも独自の基準でランキングを作ってみてはいかがでしょうか。
ではまた次の動画でお会いしましょう。